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「お金をもらうのが怖い、申し訳ない…」それは性格ではなく、昔からの“呪い”かもしれない

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「お金をもらうのが怖い、申し訳ない…」それは性格ではなく、昔からの“呪い”かもしれない

フリマアプリで不要なものを売るとき、相場より少し安くしてしまうことがあります。

手作りのものを渡して「お金払うよ」と言われても、「いやいや、いいよ」と断ってしまう。仕事でも、本当はもう少し報酬を上げてほしいのに、その話を切り出すだけで胃が重くなる。

こういう場面は、わりと身近にあります。派手な悩みではないけれど、日々の中でじわじわ効いてくる悩みです。

お金をもらうことに、どこか申し訳なさがある。これは、単に自信がないからとは言い切れません。もしかすると、昔から少しずつ身についた「思い込みの呪い」みたいなものが、心の中で静かにブレーキを踏んでいるのかもしれません。

この記事では、ざっくり次の3つを考えます。

  • なぜお金を受け取ると申し訳なく感じるのか
  • 「奪うもの」ではないお金の見方
  • 今日からできる小さな受け取り方

お金をもらうのが怖いのは、あなたの性格だけの問題ではない

お金を受け取るのが苦手な人は、自分を責めがちです。

「自分に価値がないから」
「こんなことでお金をもらっていいのかな」
「相手に悪い気がする」

でも、ここで少し立ち止まりたいところです。そう感じるのは、あなたの性格が弱いからでも、能力が低いからでもないかもしれません。

私たちは子どもの頃から、お金にまつわる言葉をたくさん浴びています。

「うちはお金がないから我慢しなさい」
「お金を稼ぐのは大変なんだ」
「楽して稼ぐのはよくない」
「お金持ちは、なんだかずるい」

もちろん、そう言った大人たちを責めたいわけではありません。その人たちもまた、自分の暮らしの中で必死だったのだと思います。

ただ、こういう言葉が何度も積み重なると、頭の中に小さなメモが貼られていきます。

お金は大変なもの。
お金はきれいではないもの。
お金をもらうと、誰かに迷惑をかけるもの。

そんなメモが増えると、いざ自分がお金を受け取る番になったとき、心のブレーカーが落ちるように「いや、これはもらいすぎかも」と感じてしまうのです。

「申し訳ない」の奥には、いくつかの思い込みがある

お金を受け取るときのざわざわは、ひとつの感情に見えて、実はいくつかに分かれています。

ここでは、よくある場面を少し整理してみます。

場面 心の中で起きやすいこと 小さな見直し方
フリマアプリで値段を下げすぎる 高く売ると悪い気がする 相場と状態を見て、まず普通の値段をつける
手作り品をタダで渡す お金をもらうほどではないと思う 材料費と時間だけでも一度数えてみる
仕事の報酬を上げたいと言えない 迷惑をかける気がする 自分の成果や負担を紙に書いて整理する
頼まれごとを無料で引き受ける 断ると冷たい人に見えそう 「今回はここまでならできる」と線を引く

この表を見ると、「お金が欲しいかどうか」だけの話ではないことがわかります。

その奥には、嫌われたくない、がめついと思われたくない、自分の価値を高く見積もるのが怖い、という感覚があります。お金の話をしているようで、実は人との距離感や、自分への見積もりの話でもあるのです。

お金は「奪うもの」だけではない

お金は、きれいごとだけで語れるものではありません。

世の中には、不公平な値付けもあります。相手の弱さにつけ込むような商売もあります。だから、「お金は全部ありがとうの形です」と言い切るのは、少し雑です。

でも同時に、お金を受け取ることが、いつも誰かから奪うことだとも思いません。

たとえば、あなたが不要になった服を丁寧に梱包して送ったとします。相手はそれを見つけて、値段に納得して買った。あなたは物を渡し、相手はお金を渡す。

このとき起きているのは、ただの奪い合いではありません。相手にとっては欲しいものが届き、あなたにとっては使わなくなったものが誰かの役に立つ。そこに小さな交換があります。

手作りのお菓子やアクセサリーも同じです。材料費だけでなく、考えた時間、作った時間、失敗した分、包む手間があります。それを相手が「払いたい」と言ってくれたなら、その気持ちまで毎回押し返さなくてもいいのだと思います。

お金は、冷たい数字に見えます。でも、ときには「助かったよ」「うれしいよ」「これが欲しかったよ」という気持ちを、形にしたチケットでもあります。

チケットを渡そうとしている相手に、毎回「いや、受け取れません」と返してしまうと、相手のありがとうの置き場がなくなることもあります。

ただし、何でも高くすればいいわけではない

ここは大事です。

お金への罪悪感を減らすことと、何でも高く売ることは別です。相手の事情を無視して強気な値段をつける必要はありません。

暮らしの中では、「今回は友達だから無料でいい」「これは練習だから材料費だけでいい」「これは仕事だからきちんと請求する」と分けて考えることもあります。

大事なのは、毎回反射的に自分を安くしないことです。

値引きや無料にすることが、自分で選んだ優しさならいい。でも、怖くて言えないから下げているだけなら、少しもったいない。優しさの顔をした我慢が、あとから台所の隅に置いた洗い物みたいに、じわじわ溜まっていくからです。

「相手に悪いから」と思ったときほど、一度だけこう聞いてみてもいいかもしれません。

これは本当に相手への優しさなのか。
それとも、自分が受け取るのを怖がっているだけなのか。

この問いだけでも、だいぶ違います。

まずは「申し訳ない」が出てきた瞬間に気づく

急に堂々と値段をつけたり、報酬交渉をしたりするのは難しいです。

何十年も身についた感覚は、そう簡単には変わりません。無理に「私はお金が大好き」と思い込もうとしなくてもいいです。そういう急な前向きさは、かえって疲れます。

まずは、申し訳なさが出てきた瞬間に気づくだけで十分です。

「あ、今、自分を安くしようとしているな」
「あ、また受け取る前に断ろうとしているな」
「あ、これは相手の問題ではなく、自分の中のブレーキかもしれないな」

そうやって、心の動きを一歩外から見る。これだけでも、ブレーキに少しだけ手が届きます。

お金の受け取り方は、自分の価値を大声で主張することではありません。玄関で靴ひもを結び直すように、「今日はここまで受け取ってみよう」と姿勢を整えることに近いです。

今日できる小さな一手

次に何かを売る、作る、引き受ける場面があったら、値段を下げる前に30秒だけ止まってみてください。

そして、紙でもスマホのメモでもいいので、次の3つを書いてみます。

  • 材料費や手間はどれくらいか
  • 相手にとって何が助かるのか
  • 自分があとで苦しくならない金額はいくらか

そのうえで、いきなり理想の金額にしなくても構いません。まずは「いつもより少しだけ自分を安くしすぎない」くらいでいいです。

たとえば、フリマアプリなら相場より極端に下げる前に、いったん普通の価格で出してみる。手作り品なら「材料費だけでもいただけると助かる」と言ってみる。仕事なら、すぐ交渉しなくても、自分の負担や成果をメモして残しておく。

お金を受け取ることは、相手から奪うこととは限りません。相手の「ありがとう」を、ちゃんと受け取る練習でもあります。

今日の小さな一手は、値段をつける前に30秒止まること。

その30秒が、自分にかけていた古い思い込みを、少しだけゆるめてくれるかもしれません。

参考情報

免責事項

この記事は、お金を受け取ることへの抵抗感や罪悪感について、暮らしの視点から考える読み物です。投資、税務、法律、医療、心理カウンセリング等の専門的な助言ではありません。強い不安や生活上の困りごとが続く場合は、必要に応じて専門家や公的相談窓口に相談してください。

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